本記事では、macOS上でパッケージマネージャー「Homebrew」を使用してC#の開発環境を構築する手順を紹介します。
動作環境
以下の環境で動作確認しています。
- マシン: MacBook Air (M1, 2020)
- OSバージョン: Sonoma 14.6.1
使用するツール
以下のツールを使用します。
- Homebrew: macOS向けパッケージマネージャー
- Visual Studio Code(VS Code): コードエディタ
- Mono: C#の実行環境
- Mono は、.NET Framework(Windows向けの古い.NET)をLinuxやmacOSでも実行できるようにするオープンソースのツールです。
- 今回は軽量な実行環境を目的として、広く使われる.NET SDKではなくmonoを採用しています。

Homebrew
The Missing Package Manager for macOS (or Linux).

Visual Studio Code - Code Editing. Redefined
Visual Studio Code redefines AI-powered coding with GitHub Copilot for building and debugging modern web and cloud appli...
Home | Mono
構築手順
1. Homebrewのインストール
まず、様々なツールを管理するためのパッケージマネージャー「Homebrew」をインストールします。
- 「ターミナル」を開き、以下のコマンドを実行します。
Bash
$ /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
- 管理者権限が必要な場合は、マシンのパスワードを入力します。
Bash
==> Checking for sudo access (which may request your password).
Password: # マシンのパスワードを入力
- インストールが完了したら、環境変数を設定します。ウィザードの指示に従い、2つのコマンドを実行しましょう。
Bash
==> Installing Homebrew to /opt/homebrew
==> Homebrew is now installed!
==> Next steps:
- Run these two commands in your terminal to add Homebrew to your PATH:
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
# 指示に従いコマンドを実行
$ echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
$ eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
- 以下のコマンドでバージョン確認をします。 無事バージョンが表示されたら完了です🎉
Bash
$ brew --version
Homebrew 4.4.21
2. Visual Studio Codeのインストール
次に、プログラムの作成に用いるコードエディタ「VS Code」をインストールします。
- Homebrewを使用して、VS Codeをインストールします。
Bash
$ brew install --cask visual-studio-code
- インストールが完了したら、以下のコマンドでバージョン確認をします。無事バージョンが表示されたら完了です🎉
Bash
$ code -v
1.97.2
e54c774e0add60467559eb0d1e229c6452cf8447
arm64
試しに以下のコマンドを実行してみると、VS Codeが起動します。
Bash
$ code ./

3. Monoのインストール
続いて、C#実行環境である「Mono」をインストールします。
- Homebrewを使用して、Monoをインストールします。
Bash
$ brew install mono
- インストールが完了したら、以下のコマンドでバージョン確認をします。無事バージョンが表示されたら完了です🎉
Bash
$ mono --version
Mono JIT compiler version 6.12.0 ((no/0cbf0e290c3 Wed Oct 16 05:50:33 UTC 2024)
Copyright (C) 2002-2014 Novell, Inc, Xamarin Inc and Contributors. www.mono-project.com
TLS:
SIGSEGV: normal
Notification: kqueue
Architecture: arm64
Disabled: none
Misc: softdebug
Interpreter: yes
LLVM: supported, not enabled.
Suspend: preemptive
GC: sgen
4. C#プログラムの作成・実行
各種ツールの準備が整ったところで、いよいよC#プログラムを作成します。
- 任意のディレクトリを作成し、VS Codeを開きます。
- 下記の例では、
Documents
配下にsample
ディレクトリを作成しています。
- 下記の例では、
Bash
$ pwd # 現在どのディレクトリにいるかを出力
/Users/username
$ cd Documents # 書類ディレクトリに移動
$ pwd
/Users/username/Documents
$ mkdir sample # Documents配下にsampleディレクトリを作成
$ code sample # VS Codeでsampleディレクトリを展開
- ここからはVS Code上で実施します。 下記画像赤枠のボタンを押下し、新しいファイルを作成します。

ファイル名は「 hello.cs
」とします。

- C#ファイルが作成できたら、以下のコードを入力して保存(⌘ + s)します。
C#
using System;
class Program
{
static void Main()
{
Console.WriteLine("Hello, World!");
}
}
- メニューバー「表示」>「ターミナル」を押下 または 「^(control) + @」でターミナルを開きます。

- 以下のコマンドを実行し、ファイルをコンパイルします。
Bash
$ mcs hello.cs
コンパイルに成功すると、.csファイルと同一階層に実行ファイル「 hello.exe
」が作成されます。
- 実行ファイルをMonoで実行します。以下のように出力されたら実行成功です!⭐️
Bash
mono hello.exe
Hello, World!
まとめ
本記事では、Homebrewを活用してmacOS上にC#の開発環境を構築する方法を紹介しました。
Monoは.NET SDKに比べて軽量な環境のため、簡易的なプログラムを実行する分には十分です。
ただ、最新の.NET機能を使用したい場合は、.NET SDKのインストールも検討してください。
パッケージマネージャーを活用することで、中々大変な環境構築の作業も比較的スムーズに進行できたと思います。
コマンド操作が多いため取っ付きにくさを感じるかもしれませんが、コマンドを数回実行するだけで済むのは大変便利なので、慣れていきたいところです。
ぜひ、実際に試してみてください!